マルチスペクトルカメラ

上の写真は、左を見ると、特別見るものがない畑。
しかし、それをマルチスペクトルカメラで撮影すると、右のようみ見える。

写真では変化が分からないが、マルチスペクトルカメラでNDVIと呼ばれる画像を見ると、
赤や黄色、そして緑と、同じ場所が異なる状況として見られる。
緑色のところは植物が元気だが、黄色、赤などはなんらかのストレスを受けていると判断できる場所。

マルチスペクトルカメラをUAV(Drone)に搭載することで、広範囲な農地の状況を把握する、

などの用途が考えられています。

東京・新宿。名古屋市名東区にある新宿ではない。
今回、ある機会を頂き、「マルチスペクトルカメラ」を見て来ました。下の写真は雨の目的地周辺。
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今回見て来たのは、MicaSense RedEdgeと、最近Parrotが自社の機体に搭載することで有名になったSequoia(セコイア)

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こいつが RedEdge。5波長(R+G+B+RedEdge+近赤外線)が撮影できる優れもの。

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これはSequoia(セコイア)。4波長撮れます。(R+G+RedEdge+近赤外線それとは別に、RGBでの撮影が可能)。

2つを比較すると、セコイアは仕事に使えるとは思えない感じだったので、買うならRedEdgeがお勧め。

RedEdgeは約75万、セコイアは約45万。(正確な価格は、販売店にお問い合わせ下さい)

セコイアの駄目な点の1つは、ローリングシャッターである点。こんにゃく現象になるようです。
そしてそれを修正するソフトがあるようですが、すると後処理にお金がかかる、という具合…..。

なので以下、RedEdgeについてのみの話題です。

下の図は、「測定波長と植物の反射率」を示したもの。

redegde_5bands

 

実際に撮影すると、一番上の写真や、下のこんな感じ。緑色ではない部分が、ストレスになっている部分。

スクリーンショット 2016-07-14 11.08.41

上のspecification(仕様)を見てもらうと、Grand Sample Distance(GSDと略すんですよ。勉強になります。)は120mの高度で8cmの範囲を測定できるそうです。

その場合、1枚の写真に収まる範囲は、100m×80m。
またそこにあるように、1秒ごとにシャッターが切れて、12bitのRAW撮影になります。5つのイメージャー(1280×960)が同時に撮影して、バラバラの5枚の写真(それぞれ12bit!!)ができます。
撮影しながらUAV(Drone)が移動するので、隣接する写真同士はオーバーラップする必要があり、オーバーラップ率は80%(実際には70%でも大丈夫らしいけど、カタログ値として)だそうです。

当然ですが、プログラムによって自動飛行、自動シャッターによる撮影。もちろんグローバルシャッター。
撮影前、撮影後には、キャリブレーション用のプレートを撮影することで、時間変化(つまり太陽の移動)によるデーターの誤差を修正するそうです。
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で、そうやって撮影されたバラバラの写真を、人間が解析できるようにCloudにデーターをアップすると、スティッチング処理をやってくれるお高いサービスが、ATLAS。

(月決め料金か 或いは 都度料金の選択あり)詳しく聞かなかったんですが、契約の内容により異なり、

最大月あたり3万程度。

Pix4Dは、その都度撮影したものによって、スティッチング処理を行うソフト、こちらは買取り、若しくは月額利用契約。
私が買ったUAV用のDJI Zenmuse XTという赤外線カメラは、146万(税込み)だった。それに比べればマルチスペクトルカメラは安いなあ、と思ったらこんな落とし穴が!

無料の解析ツールを出してくれてるFLIR、しかもMac版もiOS版もあるFLIR。
カメラは高くても親切に感じるFLIR。でもFLIR ONEで使えてる技術を、なんでXTに採用しない!!と、ちょっと怒れちゃうFLIR。

赤外線は「熱を見る」という技術なので、「単位面積にある熱変化」を見るとか、つまり「カメラが空を飛ぶ」という意識が薄い。
そのためだろう、XTのセミナーに行ったのだが、ちょっと説明する人の話が的を射てないように思った。
それに比べて、マルチスペクトルカメラは人工衛星に乗っていたのものが、UAVに付いたので、そもそも「飛ぶ」事が前提になっている。
逆に言うと、飛ぶ以外の用途が眼中にない、まさにUAVのためのカメラ。

飛ばないカメラはただのカメラだ。

このように、「緑の所は植物が元気」というのが分かるので、色々と活用方法がある、ということがわかります。
が!!
農業の重要な視点として、「おいしさ」があります。葉緑素の多さ(光合成の活発さ)=おいしさ、ではありません。
窒素の適正とか、「おいしさ」に関係する指標?があるようなので、マルチスペクトルカメラのデーターを、結局「どう見るか」という「解析」する人間の能力が問われる、ということがよくわかりました。

詳しくは「リモセン米」をググりましょう。

そして圧倒的にそのようなデーターがない今日、私のような映像クリエーターがマルチスペクトルカメラを見てみるくらい、身近になったとは言え、まだまだ実践的な試みは不足しています。

…..ちなみに、スペクトルの名付け親はニュートン先生です。

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そして、遅い昼飯は六本木のハードロックカフェ。
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名古屋〜東京の移動中、Judas Priest、Scorpions、Michael Schenker、Gary Mooreと聞いてきたので、HRCでの昼飯は最高!
とおもったけど、HM/HRがBGMではなかった。
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撮影しているところを、同席した方に撮影してもらいました。写真のマンゴージュースを頼んだので…..

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なんとお土産に、同じグラスを頂きました!!

ありがとうHRC。やっぱり見てよかったマルチスペクトルカメラ!

 


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