「その3」で書いたように、映像は、横(水平)にも動きたいけど、縦(垂直)にも動きたい。そこで登場するのがクレーンですが、これはスモールジブアームと呼ばれるもの。
この構造を参考に、もう少し長いものを作ってもらってますが、今回の映画はとにかく全てG Factoryの機材を使うので、車に入りきらない。(普通はカメラ、録音、照明など、それぞれの業者が機材を持って集まります)
そこで縦移動にはスモールジブアームを使う事にしました。
コンテでは、クレーンを使うカットとしては描かれていませんが、クレーンとカメラ台があるから、クレーンで撮りたい、という私のわがままに、「じゃ、撮っちゃう?」と賛同してくれるたのが、古居P。(この撮影日、梅岡監督はお休み)
古居Pが、クレーンのオペレーションをやってくれてました。
おかげさまで、印象的な良いカットになりました!
しかしこのクレーンは、とにかくカウンターウエイトで持ち上げる構造のため、S1を持ち上げるにも、かなりの重りが必要になってしまう。
S1はデジタル1眼では大きい方で、他と比較すると重い方になる。
でも、ビデオカメラ機材として考えると、軽い……
やっぱり、クレーンに乗せると、重い。
カメラと反対側のアームが長ければ、重りはそんなに必要ないのだけれど、それだとクレーン全体が長くなりすぎて、狭い所では使えない。
今回は積極的に室内で用いたいという個人的思いがあるため、使い勝手が良いように、バランスを見直すことに。
クレーンのプレートにS1を直付けでもいいんだけど、それだとクレーンを使いながら、さらにチルトしたい時などに困るから、できるだけ軽いヘッドを選択。
クレーン上に固定するのが主な使い方なので、このヘッドでも十分。
S1が使用重量で1743g(その3参照)なので、合計2461g。
バランスを調整したところ、S1を持ち上げるのに、11.25kgの重りが必要。現場が大変だあ〜。
その重いスモールジブアームを、カメラ台に乗せての撮影。カメラ台の耐荷重300kg。このカメラ台も、今回の撮影のために購入したもの。名鉄のプラットフォームと三脚の高さを揃えるために購入しましたが、せっかく買ったのだから、どんどん使いたい!
まだテスト前なので、なんとも言えませんが、クレーンは3脚にお釜がないので、置く場所によっては水平が難しく、そのため、カメラの下にレベリングベースを入れてはどうかと思い購入。私の考えでは、大元の水平がズレていても、先端にコレを入れれば直る。ただし、直るのは1方向に対してだけ。
つまり、クレーンで上下しながらパンもすると、多分水平は狂うけど、縦にしか動かない前提であれば、有効なはず、と思ってます。
まあ、このクレーン用の3脚にカメラを乗せる事もあるので、その場合はヘッドの下にこれを入れれば、十分使えるので、その用途も兼ねて。
「その2」で書いた、病院のシーンがこれ。
カーテンがとんでるので、高輝度抑えて、反面中間部はちょっと足して、暗部はほぼそのまま。まだ仮編なので、最終的なトーンは全編を見てから決めます。
ここは、まだ父が悩んでいるシーンなので、あまり明るくしたくないという事情もあります。
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