中部電塾で講師を務めさせて頂きました。

2018年6月16日、中部電塾で講師を務めさせて頂きました。
今回はクロマキーを中心に、セミナー時間内に撮影、編集を行うというもの。

クロマキーが良く用いられるものとして、Virtual Studioがあります。
私はテレビ番組でもVirtual Studioを制作したり、VPでもVirtual Studioは使う事があるので、
それを活かした架空の「ニュース番組」を作ろうと考えました。

まずは、完成した映像は下記になります。

受講者の方に参加してもらうので、ワークショップ的な試みとなります。

ニューススタジオもセミナーの現場で撮影、ニュースの内容も現場で撮影、という全て室内撮影となります。
今回は「時間内に完成させる」というのが講師の責任として大きく、そのためできるだけ簡潔な内容で、
撮りやすいものを考えました。

構成案を考え、構成案から背景映像を用意し、背景画像を見ながらコンテを描きました。
本来、撮影には「香盤表」(撮影順を記載しているもの)が必要なのですが、それはうっかりして作らなかったです。
13カットしかないので、誰も混乱しないから問題ないのですが、本来はあるべきものです。

やることが決まったので、3DCGのソフト「modo」でスタジオを制作。Cameraは切りかえられるように複数設定。撮影時にCameraは移動しないので、静止画として必要なカットをレンダリング。

今回は、FCPXだけで完結できるオープニングのMotion Graphicを考えました。オープニングの音楽も、FCPXに付属のものです。そのため、ちょっとエンディングっぽいかな…..と思っています。

タイムラインはHD。
FCPXだけで完結、といっても動画素材、3DCG素材は用意しました。

上の写真はFCPXのテロッパーの設定。FCPXでやれる事を目指したので、3D文字もFCPX。
正直、modoやAEのプラグイン「3Dインビゴレーター」とかの方が自由なAnimationが可能です。
ただ、この文字はテロップなので、リアルタイムに打ち直す事が可能。そういう点では、そこそこ見られる文字が作れるFCPXのテロッパーはいいです。

上の写真は、FCPのタイムラインで「CDN NEWS」のタイトルロゴのシーン。
背景の雲も、FCPXのデフォルト。(一番下のレイヤー)
一番上がタイトルロゴ。デフォルトだけでは組み合わせが限られてくるけど、そこそこ良い感じに
なってくれました。動画編集ソフトでも、Photoshopのようにレイヤーの「ブレンドモード」が使えます。

オープニングに用意した3DCGに、「人型の板」があります。これは動画で撮影した雑踏から、
Illustratorでアウトラインを作り、それをmodoで板にしています。

実は2001年に、国際デザイン会議だったかなにかで、オープニング映像を任された時に制作したIllustratorの
アウトライン再利用しています。そのため、上のシルエットの女性(女子高生)はルーズソックスなんですよね。
CGではばれないけど、アウトラインでも服装で時代が反映するとは。

ニュースキャスターの名前を表示するテロップの座布団も、FCPXで制作。本来Photoshopとかで作りますが、
FCPXでもやれます。


以上の事前準備を行ったFCPXのタイムライン。
各カットの尺は、私が読んでいる「仮ナレ」(仮のナレーション)で決めています。
昔から、クロマキーはリアルタイムで行えるハードウエアがあるので、最近のものとしてBlack Magic Designのものをご紹介させて頂いたり、場合によっては、編集ソフトでやる必要はありませんが、専用ハードウエアがなくてもできるのは、財布には優しいです。

そして中部電塾の当日。正直撮影〜編集を行うので、かなり不安でした。

あと…….腹が出てる。

さすが撮影スタジオなので、グリーンバックを斜めに吊って頂けるので、トップライトが良い仕事をしてくれています。

撮影はGH5 4K 8bit 422。

基本的に役者のNGはなし、の現場なのでほぼ全てがTAKE1でOK。素晴らしい効率で撮影でき、
まずは大まかなにつないで、部分的な解説をしました。

今回は撮影条件が良く、FCPXのキーイング一発で綺麗に抜けてしまいましたが、丁度良い作例のカットが上の写真。クロマキー撮影では、こういった反射や色かぶりなどに注意が必要です。
この写真の「修正前」では、背景を赤にするとテーブルが赤になってしまい、つまりテーブルもキーイングで抜けている
ことが分かります。
この程度であれば、キーヤーの操作やレイヤーを増やすなど、対応可能です。

そもそも、キーイングといっても、白黒マスク合成の考え方がないと、「マット」が分からないという発見がありました。
上の写真のカラー映像は、白黒のマスクを用いると、「黒が透明」になります。

上の写真がマスク合成の結果。キーイングのマット調整でも、白黒のマスクを取り扱います。

今回modoでの作例が簡単なスタジオとか、人型の板のため、modoのパフォーマンスが劣ると思われると困るので、最近作ったDroneの元データーも見て頂きました。
当社(中日本赤外線空撮株式会社)で使用している愛機です。


なんとか無事終える事ができましたが、結局クロマキーはアイデア次第で様々な使い方が可能なため、
ディレクターがクロマキーを理解してどう用いると効果的か、というノウハウが大切だと思います。


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