自演乙KO勝利

あけましておめでとうございます!!

このブログで、過去のお正月をみてみると、2009年には「自作神棚」の制作、2010年には、愛車のiQで富士山の日の出を撮影に行っていたようで、今年は富士山の夕景の撮影にも行こうかなあ〜。

毎年、歌番組を見る習慣はないので、年越しはK-1などを録画しておいて、時差で見始める。

今回は特にK-1で印象的な試合があったので、そのことを書きたい。「長島☆自演乙☆雄一郎VS青木真也

この試合は「仕事に対する姿勢」を1年の最後にもう一度考えさせてくれたからだ。

なんせ映像関連の人間が書くブログだから、K-1に興味がない人もいると思うので、上のYouTubeを見ていただければわかるけど、長島選手はK-1の選手で、立ち技が専門。コスプレが好きで、自身で「本業はコスプレ、副業が格闘家」と述べている。一方青木選手は、総合格闘技の選手で、関節技など寝技が使える。

この会見の様子を見るだけなら、なんとなく青木選手(向かって左側)を応援したくなるような気がする。

変則ルールで、1ラウンドは立ち技のルール。(つかんだり、寝ている相手は攻撃できない)これはコスプレの長島選手に有利なルールで、2ラウンド目は総合格闘技のルールで、青木選手が有利なルールとなる。

そこで、青木選手は不利なルールで勝負する気はまったくない様子で、格闘のリングに上がっているにも関わらず、1ラウンドは完全に戦う意志はない。なので無意味に大技が出る。写真のあびせ蹴りなど、着地したら寝た状態になるので、「寝ている選手を攻撃できない」立ち技ルールでは、立ち上がるまでは休憩時間になる。

K-1でこれが出るか〜。プロレス技のドロップキック。これも技をかけた側が寝た状態になり、2ラウンドまでの時間稼ぎに出している。

こうして1ラウンドではまったく戦う気がなかった青木選手。2ラウンドでは寝技が使える有利なルールとなるのだが…

第2ラウンド開始4秒、タックルにいった青木選手に対し、長島選手のカウンターの膝蹴りが入る。

まだ画面上から「FINAL」のテロップが消えていない時間帯!

青木選手失神!!!完全KO!!!!

自身も信じられない、という表情の長島選手。この二人の仕事ぶりの違いは…。

格闘のリングでありながら、立ち技で勝負するの放棄して、みっともない大技で逃げ回った青木選手。これはエンドユーザーが選手に対して抱いている期待を、完全に裏切っている。クライアントの向こうには、エンドユーザーがいて、彼がお金を払うからこそ、リングでの試合が成立している。

不利なもので勝負しないのは、作戦として十分正しいが、結果的に自分の得意なルールになってKOされていたら、まったく説得力がないし、そもそも作戦自体が職場放棄としか思えない。

試合のオファーを受けた時点で、苦手な立ち技でもある程度戦えるようにトレーニングするのが、仕事に向かう姿勢だと思う。それができないなら、なんでこの仕事を受けてしまったのか?

解説の魔裟斗さんが「逃げていては道は開かれない」というようなことを言っていたが、そもそも逃げ回る試合を見せられる観客の喪失感に鈍感(空気が読めないと解説されていたが)である時点で、プロとしての資質を欠く。

これはプロがアマチュアに負けた試合だと思う。長島選手が「本業はコスプレ」と言っていることもあるが、もしこれがアマチュアスポーツの競技会だったら、青木選手のこのような立ち振る舞いが許されるのだろうか?

たぶん失格とか厳重注意になるような気がする。

本来ならアマチュアの上にプロがいるはずだが、アマチュアが競技に向かうにはプロのような制約だとかプライドのようなものがない。そのため、競技と向き合う自分自身の資質がなによりも問われる。

「長島☆自演乙☆雄一郎」選手が、「副業」の格闘家として勝利したことに、そのアマチュアイズムを貫いたという整然とした論理を感じる。

どっちの人に仕事をお願いしたいか、ということを考えると、プロの青木選手よりも「色物」であっても仕事ができる長島選手だ。

新しい年がはじまり、仕事を引き受けるということに対して、これはその責任と問われている結果を考える本当にいい出来事だった。長島選手のような結果が残せる1年にしたい。


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